2007年8月31日金曜日

雑誌のバックナンバーをどうする

 日本文藝家協会やJASRAC、日本漫画家協会、日本写真著作権協会、日本美術家連盟など17の著作権管理団体でつくる「著作権問題を考える創作者団体協議会」は著作物の権利者情報を検索できるポタールサイトを2009年1月開設を目指して構築すると発表した(ITmedia)。三田誠広氏が予告していた著作権者データベースがいよいよ具体化してきたわけである。
 「2009年1月開設を目指して」という言い方になっているのは、間にあうかどうかわからないからだろう。
 同種のデータベースとしては経団連などが開設した Japan Content Showcase がすでに公開されているが、ものものしい同意ボタンをクリックさせるのに、内容はないに等しい。日本図書コード(ISBN番号)を取得した書籍に関しては題名と出版社名、出版年が出てくるが、それ以上の情報はない。
 倒産・廃業した出版社の出版物を考えると、日本図書コードを取得した書籍のデータベースを整備するだけでも大変だが、新聞雑誌に発表された文章となるとデータベース化は絶望的に困難ではないか。出版事情はどんどん厳しくなっており、書籍にならない作品が増えている。文芸批評など書籍になる方がすくないくらいだ。
 雑誌は情報の宝庫だが、その電子化・データベース化は一部を除いて手つかずである。図書館でも雑誌の中味まではデータベースになっていない。
 文芸批評をやっていると過去の雑誌を閲覧することが多いが、掲載誌の巻号が間違っていると大変である。今は大学図書館の書庫にはいって調べることができるが、以前は絶望的だった。
 Googleや Yahoo、マイクロソフトの書籍電子化計画は、日本では大変な抵抗に遭っているが、雑誌の電子化に手をつけたらどうだろうか。雑誌のバックナンバーは現状では死蔵されているだけなので、これを電子化してくれるなら、読者にとってはもちろん、著者にとっても、出版社にとっても、図書館にとっても歓迎すべきことではないか。