2008年1月21日月曜日

北朝鮮はチベット化するだろう

 北朝鮮有事の際、中国が北朝鮮に軍の派遣を検討していることが中国人民解放軍内部で検討されているという記事が読売に出た。


 中国軍の北朝鮮進駐の可能性は本欄でたびたび指摘してきたし、最近も米国戦略問題研究所(CSIS)と平和研究所(USIP)が共同で同趣旨の報告書を発表したことが報じられたが(朝鮮日報)、人民解放軍内部の話となると穏やかではない。北京オリンピック後を見すえた動きが表面化しつつあるのかもしれない。

 興味深いのは中国軍の越境は「国連安全保障理事会の承認が原則的には前提になるとしているが、難民流入が一刻の猶予も許さない場合は、中国が独自判断で派遣する」としている点だ。中国は旧ソ連のアフガン侵攻と違って、国際社会、特にアメリカが北朝鮮進駐を容認すると踏んでいるのだ。

 金正日が本当に核を放棄するとは思えない。北朝鮮の核問題を抜本的に解決するには韓国が北朝鮮を吸収するか、中国が保護国にするかのどちらかしかない。北朝鮮はすでに人民元経済圏にとりこまれており、中国軍がはいって核の後始末をし、親中政権を作るぐらいは朝飯前だ。その先にあるのは北朝鮮のチベット化である。北朝鮮復興には莫大な資金がかかるといわれているが、それは自国民と同じようにあつかう場合だ。保護国なら本当に復興させる必要はなく、朝鮮人人口が減っていくのを待てばいい。

 韓国の最大の貿易相手国は中国になっている。北朝鮮に中国軍がはいっても韓国には何もできないだろう。中国化した北朝鮮と統一することによって、朝鮮半島は再び中国に呑みこまれていくしかない。

 十数年後の日本は台湾的な立場に追いこまれているかもしれない。