2008年4月18日金曜日

マイナーな「恐竜大陸」展

タルボサウルス

 幕張メッセで中日新聞社主催の「恐竜大陸」を見てきた。

 昨年の夏は関東では恐龍展が一つもなかったが、名古屋ではこの「恐竜大陸」をやっていて、それが春に千葉へ来たわけである。今年の夏は新潟にいくらしい。恐龍もどさ回りをさせられて御苦労なことである。

 中国とモンゴルで出土した化石が中心で、巨大な骨格模型が売物だが、アメリカ産と違い、もっさりしているというか、あまり格好良くない。多分、種の違いというより、復元した人のセンスによるものだろう。人体のプラスティネーション標本も中国製のは陰気で垢抜けなかった。

 展示はポリシーがはっきりせず、ただ並べましたという印象で、もったいないと思った。学術色がまったくなく、図録もなかった。主催者側は子供相手のイベントと高をくくっているのかもしれない。最近の子供は大人よりよほど詳しいのだが。


手前の小さな恐龍が羽毛恐龍インゲニア
羽毛恐龍
シノカリオプテリクス
最古の被子植物
アルカエフルクトゥス
足跡の化石

 羽毛恐龍の化石は続々発見されていて、この恐龍展でも一つのコーナーができていた。羽毛の跡がわかるのは感動ものだったが、ただ寄せあつめたというだけで工夫がないし、中型の羽毛恐龍インゲニアを大型龍の隣の目立たない場所に展示してあるのは不親切だ。鳥につながらなかったにしても、同じ場所に置くべきだったのではないか。

 ゆったり展示してあるのはいいが、会場は広すぎた。展示物に較べて面積をもてあましていて、最後のコーナーは場末の遊園地にあるようなマンガ風の恐龍と、恐龍映画のスチール写真の展示でお茶を濁していた。

 季節外れの恐龍展のせいか客がすくなく、閉鎖直前のテーマパークのような物悲しさがあった。あれでは恐竜が可哀相である。